Seoul Life

韓国のソウルに住んでいます。 日本語・韓国語教育関連、文化や政治、韓国で話題のニュースや舞台などについて書いていきたいと思います。

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「今日私が通ったこの道を、北と南のすべての人々が自由に行き来できるようになり、今私たちが立っている、胸痛む分断の象徴である板門店が平和の象徴になるならば、一つの血筋、一つの言葉、一つの歴史、一つの文化を持った北と南は元通り一つになって、民族万代にわたって末長く繁栄を享受することでしょう。」――金正恩国務委員長

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今日は歴史的な一日となりました。

南北の首脳の出会いをスマホの生中継で見ながら、言葉に表すことのできない感動を覚えました。
今までどれだけの人々がこの日を待ち望み、夢見ながらどれだけの努力を重ねて来たことか。

そして、何度も「一つ(ハナ)」という言葉を挙げて、南北が一つであることを強調する金正恩国務委員長の言葉を聞きながら、バスの中で涙が止まりませんでした。

板門店宣言の日本語訳は出ていますが、2人の所感発表の訳はまだどこにもないようですので、私が金正恩国務委員長の言葉を全文訳したものをここに掲載したいと思います。

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[板門店宣言] 朝鮮民主主義人民共和国 金正恩国務委員長の所感発表 全文


「親愛なる皆様、北と南と海外の同胞の兄弟姉妹たち。

本日、私と文在寅大統領は、分裂の悲劇と統一の熱望が凝縮されているここ板門店で、歴史的な責任感と使命感を抱いて初会合を持ちました。私はまず始めに、首脳の出会いと会談の成功的な開催に向けて多くの労を尽くしてくださった文在寅大統領と南側の関係者の皆様に深い謝意を表します。また、我々のためにありとあらゆる真心と努力を傾け、盛大に迎えてくださり、一つの血筋、一つの兄弟、一つの民族としての温かな情を寄せてくださった南の同胞の皆様に感謝の言葉を申し上げます。

北と南が今日こうしてまた両手を合わせるまでに、実に長い時間が流れ、私たちは皆あまりにも長い間、この出会いを心を一つにして待ち続けてきました。いざこうして顔を合わせてみますと、北と南はやはり分かれて生きることなどできない一つの血筋であり、周りのどんな民族とも比べようのない同族であるということを切に感じ、熱く込み上げる思いが致しました。こんなにも近くに住む私たちは、対決し、戦わなければならない異民族ではなく、団結し、和やかに生きるべき一つの血筋を引き継いだ一つの民族です。一日も早く、全ての同胞が心から平和に、幸せに生きる道を拓き、我が民族の新しい未来を開拓していく決心を抱いて私は今日、板門店の分離線を越えてここに参りました。

私と文在寅大統領は、私たちの出会いを切望し、熱烈に支持し声援を送ってくださった北と南のすべての同胞の望みと期待を重く受け止め、南北の人民たちが切実に願う問題の解決のため、多くの議題について真剣に議論しました。何よりも、すべての同胞が戦争のない平和な地で繁栄と幸福を享受する新しい時代を切り開いていく確固たる意志を一つにし、これに向けた実践的対策に合意しました。

そしてすでに採択された南北宣言と、すべての合意を徹底的に履行していくことで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことに致しました。私と文在寅大統領は、先ほど、本日の会談で合意された議題とその具体的な措置を反映させた朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言を採択し、署名致しました。

私たちが本日北と南の全人民と世界が見守る中で署名したこの合意は、歴代の南北合意書のように駆け出しだけで終わってしまう残念な歴史が繰り返されることのないように、私たち2人が膝を突き合わせて緊密に話し合い、協力し合うことによって、必ず良い成果が結ばれるように努力して参ります。

今日私が通ったこの道を、北と南のすべての人々が自由に行き来できるようになり、今私たちが立っている、胸痛む分断の象徴である板門店が平和の象徴になるならば、一つの血筋、一つの言葉、一つの歴史、一つの文化を持った北と南は元通り一つになって、民族万代にわたって末長く繁栄を享受することでしょう。

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南北及び海外の親愛なる皆様。

固い意志を持って最後まで推し進めてゆけば、閉じていた扉も大きく開かれます。北と南が理解と信頼に基づいて民族の大義を先に考え、それ以外のすべてのことを控えていくならば、南北関係はさらに加速し、統一と民族の繁栄もより早く達成できることでありましょう。

偉大な歴史はひとりでに生み出され記録されるものではなく、その時代の人間たちの誠実な努力と熱い息吹の結晶であります。この時代の私たちが、民族の和解と団結、そして平和繁栄のために必ず生み出しておかなければならないすべて、生み出すことのできるすべてを完全な形で実現しておくことをもって、自らの歴史的責任と時代的な義務を果たしてゆかなければならないのです。

その道には北風もあれば逆風もあり、挫折や試練もあることでしょう。苦痛なくして勝利はなく、試練なくして栄光がないように、いつの日か、苦労してたどり着いた今日のこの出会いと、あらゆる挑戦を乗り越えながら民族の進むべき道を手を取り合って一緒に切り開いて行った日々を、懐かしく思い出す日が来ることでしょう。

皆様。
私たちは皆で心と力を合わせ、知恵を集めて平和繁栄の新時代、新たな夢と希望が待っている未来へと一歩一歩歩幅を合わせ、前進して行きましょう。本日合意した板門店宣言が、今我々の会談の結果を切なる思いで見守ってくださっている皆様の期待に少しでも報いるものとなり、新しい希望と喜びを与えてくれることを願います。

南北首脳の出会いと会談が見事な実を結ぶことができるよう全面的な支持と惜しみない励ましを送ってくださった北と南、海外のすべての同胞たちにもう一度熱いお礼を申し上げます。そして、私たちの歴史的な出会いに大きな関心と期待を示してくださった記者の皆様にも謝意を表します。ありがとうございました。」

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(韓国語原文 全文: 聯合ニュース
http://v.media.daum.net/v/20180427211608491

[판문점 선언] 김정은 북한 국무위원장 발표 전문

한국어 원문


친애하는 여러분 북과 남 해외의 동포 형제 자매들.

오늘 저와 문재인 대통령은 분열의 비극과 통일의 열망이 응결되어있는 이곳 판문점에서 역사적인 책임감과 사명감을 안고 첫 회담을 가졌습니다. 나는 먼저 수뇌상봉과 회담의 성공적인 개최를 위하여 많은 노고를 바치신 문재인 대통령과 남측 관계자 여러분들께 깊은 사의를 표합니다. 또한 우리들을 위해 온갖 정성과 노력을 다 기울이며 성대히 맞이하여주고 한혈육, 한형제, 한민족의 따뜻한 정을 더해준 남녘 동포들에게 감사의 인사를 드립니다.

북과 남이 오늘 이렇게 다시 두 손을 맞잡기까지 참으로 긴 시간이 흘렀고 우리 모두는 너무 오랫동안 이 만남을 한마음으로 기다려 왔습니다. 정작 마주 서고 보니 북과 남은 역시 서로 갈라져 살 수 없는 한 혈육이며 그 어느 이웃에도 비길 수 없는 동족이라는 것을 가슴 뭉클하게 절감하게 되었습니다. 이토록 지척에 살고있는 우리는 대결하여 싸워야 할 이민족이 아니라 단합하여 화목하게 살아야 할 한 핏줄을 이은 한민족입니다. 하루빨리 온 겨레가 마음 놓고 평화롭게 잘 살아갈 길을 열고 우리 민족의 새로운 미래를 개척해나갈 결심을 안고 나는 오늘 판문점 분리선을 넘어 여기에 왔습니다.

저와 문재인 대통령은 우리의 상봉을 간절히 바라고 열렬히 지지 성원하여준 북과 남 온겨레의 소망과 기대를 무겁게 받아들이고 북남 인민들이 절실히 바라는 문제 해결을 위해 많은 의제들을 진지하게 논의하였습니다. 무엇보다도 온 겨레가 전쟁 없는 평화로운 땅에서 번영과 행복을 누리는 새 시대를 열어나갈 확고한 의지를 같이하고 이를 위한 실천적 대책들을 합의하였습니다.

그리고 이미 채택된 북남선언들과 모든 합의들을 철저히 이행해나가는 것으로 관계개선과 발전의 전환적 국면을 열어나가기로 하였습니다. 저와 문재인 대통령은 방금 오늘 회담에서 합의된 의제들과 그 구체적 조치들을 반영한 조선반도의 평화와 번영, 통일을 위한 판문점 선언을 채택하고 서명하였습니다.

우리가 오늘 북과 남의 전체 인민들과 세계가 지켜보는 가운데 수표한 이 합의가 역대 북남 합의서들처럼 시작만 뗀 불미스러운 역사가 되풀이되지 않도록 우리 두 사람이 무릎을 마주하고 긴밀히 소통하고 협력함으로써 반드시 좋은 결실이 맺어지도록 노력해나갈 것입니다.

오늘 내가 다녀간 이 길로 북과 남의 모든 사람들이 자유롭게 오갈 수 있게 되고 우리가 지금 서 있는 가슴 아픈 분단의 상징인 판문점이 평화의 상징으로 된다면 하나의 핏줄, 하나의 언어, 하나의 역사, 하나의 문화를 가진 북과 남은 본래대로 하나가 되어 민족만대에 끝없는 번영을 누리게 될 것입니다.

북과 남, 해외의 친애하는 여러분.

굳은 의지를 가지고 끝까지 밀고 나가면 닫겨있던 문도 활짝 열리게 됩니다. 북과 남이 이해와 믿음에 기초하여 민족의 대의를 먼저 생각하고 그 외에 모든 것을 지양시켜 나간다면 북남 관계는 더욱 가속화 될 것이며 통일과 민족의 번영도 앞당겨 이룩할 수 있을 것입니다.

위대한 역사는 저절로 창조되고 기록되지 않으며 그 시대 인간들의 성실한 노력과 뜨거운 숨결의 응결체입니다. 이 시대의 우리가 민족의 화해단합과 평화번영을 위하여 반드시 창조해 놓아야 할 모든 것, 창조할 수 있는 모든 것을 완전무결하게 해놓음으로써 자기 역사적 책임과 시대적 의무를 다해나가야 할 것입니다.

그 길에는 외풍과 역풍도 있을 수 있고 좌절과 시련도 있을 수 있습니다. 고통이 없이 승리가 없고, 시련이 없이 영광이 없듯이 언젠가는 힘들게 마련되었던 오늘의 이 만남과 그리고 온갖 도전을 이겨내고 민족의 진로를 손잡고 함께 헤쳐간 날들을 즐겁게 추억하게 될 것입니다.

여러분.

우리 모두 뜻과 힘을 합치고 지혜를 모아 평화번영의 새 시대, 새로운 꿈과 희망이 기다리는 미래로 한 걸음 한 걸음 보폭을 맞추며 전진해 나아갑시다. 오늘 합의한 판문점 선언이 지금 우리의 회담 결과를 간절한 마음으로 지켜봐 주고 계시는 여러분들의 기대에 조금이나마 보답하고 새 희망과 기쁨을 주게 되기를 바랍니다.

북남 수뇌 상봉과 회담이 훌륭한 결실을 맺을수 있도록 전적인 지지와 아낌없는 격려를 보내준 북과 남 해외의 전체 동포들에게 다시 한 번 뜨거운 인사를 드립니다. 그리고 우리의 역사적인 만남에 커다란 관심과 기대를 표시해준 기자 여러분들께도 사의를 표합니다. 감사합니다.
 

1年前の今日、100万人の民衆がソウル光化門に集まり、国民を愚弄する朴槿惠政権の退陣を叫びました。

ケーブルテレビ放送局JTBCが政府の裏をかいて次々に朴槿惠政府の裏の実態を暴き、これに怒りの声を上げた国民の連帯によって毎週週末ごとにデモが開催されました。大統領の退陣を求める声は全国にうねりとなって広がり、野党の弾劾案発議遅延を受けて123日には全国で232万人が一度に参加するまでになりました。

それから間も無く朴槿恵大統領は弾劾、のちに逮捕され、新大統領選挙で文ジェイン氏が新しい大統領として選出されました。

公共放送であるKBSMBSへの政権からの度を越した介入に抗議するストライキが続き、積弊清算タスクフォースが結成され、李明博政権時からの国家情報院の不正、官民の癒着、放送局への圧力に捜査の手が入っています。


その間、日本では何があったでしょうか。

首相自身への疑惑に対して、マスコミがどれだけ徹底追求したでしょうか。

抹殺される地方の民衆の声に、どれだけの人が連なって声を上げたでしょうか。

メディアへの圧力に抗議してどれだけのジャーナリストが連帯して立ち上がったでしょうか。

権力に擦り寄る似非ジャーナリストの性犯罪をもみ消した国家権力を大手メディアは糾弾したでしょうか。

嘘だらけ、憲法違反、国会愚弄、国民無視の行政運営に対して野党がどれだけ抗戦したでしょうか。

国民はどれだけ怒りの声を上げたでしょうか。



この映像は、飼い慣らされることの恐ろしさを知る国民が、権力を一部の人間たちの欲しいままにさせないという強い意志のもとに、自分たちの声を届け、自分たちの明日を変えるために叫ぶ様子を撮ったものです。

そして実際に、彼らは権力を跳ね返すことに成功しました。


韓国は、国民の中に様々な声がありながらも、その中から民衆が自ら淀んだもの、曲がったものを改善していく理想と自浄作用を持っています。

翻って日本を見ると、若者たちは「理想」を失い、誰かが作った「現実」という名の鎖に縛られることを何とも思わない「網の中の蛙」たちを中心に「今だけ・金だけ・自分だけ」の3だけ主義に流れていくのをどうすることもできずにいます。「特定秘密保護法」「共謀罪」「安保法制」が国会を通過して、国家の名の下に国民が管理されることを良しとし、政府に批判的なジャーナリストが更迭されても指をくわえて見ているだけです。

自浄能力を失ったこんな日本をよそ目に、特に若い層を中心として、韓国の高い市民意識はとうに日本を超えてしまっていることを日々感じています。


飼い慣らされることを良しとしない人々の熱い叫びに、皆さんにも何かを感じてもらえれば幸いです。




韓国にとうとうTHAADの配置が決まった。
中国からは当然激しい批難が寄せられている。
国内でも反対の声が強い。下手に中国との対立を煽り、無用の火種を生みかねないという懸念からだ。

隣人と平和に暮らしたいとき、すべきことは銃を買うことか? 対話の道を模索することか?
互いに銃を向け合っている限り、真の平和は永遠に訪れない。

韓国からはこんな記事も出ている。訳を載せる。




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朴槿恵、THAADで地獄の扉を開いた  

チョン・ウクシク平和ネットワーク代表 

2016.07.08 14:12:39

[チョン・ウクシクコラム】奇襲的で不透明、国民を愚弄した決定 

韓米両国政府がTHAAD配置の発表をついに強行してしまった。8日午前11時に「在韓米軍にTHAAD体系を配置することを韓米同盟のレベルで決定した」と公式発表したのだ。これで韓半島はもちろん、北東アジアの情勢が'THAAD政局'に急速に吸い込まれそうだ。

南南対立、南北対立、北東アジアの対立等の三つのレベルで対立が深まってから、それこそ「ヘル朝鮮」の入り口に立つようになった。韓国の地政学的リスクが再び高まり、これに中国の経済報復論まで加わり、経済的被害も避けられない見通しだ。 

韓米当局の発表の問題点は一つや二つではない。まず、発表が「奇襲的」である。両国政府はわずか二日前まで、「最終的に決定されたものはない」と言っていた。その後、週末を控えて奇襲的に発表した。 

第二に、これ以上に「不透明」になりえないほど不透明だ。最小限の情報公開や公論化の過程もなかった。一例として、朴槿恵政権はフランク・ローズ国務省次官の訪韓がTHAADとは無関係だと述べた。しかし、様々な情況を総合してみると、彼の日本-韓国ー中国への歴訪は、THAADの公式発表のためのものといえる。日本に行って「協力」の約束を受け、韓国では「最終決定」を下し、中国に行ってこれを「通報」したものと見るしかないということだ。

第三に、政府は、国民を愚弄している。国防部をはじめ政府はTHAAD配置の候補地を随時、マスコミに流し、世論を探るようなパターンを繰り返してきた。該当地域の住民が反発すると「決定ではない」と言っておきながら、結局THAADの配置を公式に決めた。最も重要な敷地選定をしていない状態で、はたしてTHAADの配置を決定できるのかどうか、疑問を感じさせるところだ。 

第四に、あまりにも「無責任」すぎる。責任ある政策決定者なら、その決定が国民生活に及ぼす影響について熟考を重ね、議論のやり取りを強化しなければならないのは基本中の基本だ。ところが、このような過程が全くなかった。その結果、THAAD配置の決定によってその被害はそのまま国民に転嫁してしまうことになる。

この決定は、THAADの配置地域住民だけでなく、経済的不確実性と安保不安が固定化され、国民生活全般に大きな不確実性につながるものだ。責任を喪失した権力集団と代表性を抑圧された国民の間の不一致が高まり、ヘル朝鮮が杞憂ではなく現実になる可能性が高まったのだ。


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▲リュジェスン国防部国防政策室長(右)とトーマス・ベンダル米8軍司令官が8日午前、
ソウル龍山区の国防省庁舎で、在韓米軍のTHAADを韓国内に配置することを確定したと発表した。
ⓒ連合ニュース


このような政策決定過程だけでなく、THAAD配置自体にも重大な問題がある。北朝鮮の核ミサイルを捕らえるのは不可能だ。むしろ北朝鮮の核ミサイル増強をあおり、軍備競争と安全保障のジレンマを激化させる恐れが大きい。中国とロシアの反対はさらに強まっている。これによって、THAAD配置は韓国を「地政学の監獄」へと導く道になるだろう。 

特に中国は、韓米両国の決定を覆すため、様々な圧力と報復手段を動員する公算が大きい。韓中間の外交関係のみ経済関係まで危機に直面することであり、それでも覆されなければ、中国の軍事的脅威までもたらすことになるだろう。 

このようにTHAAD配置は韓国の安保を堅固にしてくれる米国からの「プレゼント」ではなく、韓国の国益を総体的に脅かす「トロイの木馬」と言っても過言ではない。事情がこうであるならば、政府は直ちにTHAAD配置の決定を撤回して、原点から全面再検討しなければならない。ペンタゴンとロッキード・マーティン社がくれた資料だけを見て国家の百年大計を決めることはできないのではないか?   

現在、韓国の国会が、「テロ防止法案」の採決をめぐって23日午後7時から野党が無制限討論による長時間演説、いわゆる「フィリバスター」のリレーに突入し、4日目ですでに50時間以上連続で演説を続けるという異常事態となっています。

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まとめ記事 :http://matome.naver.jp/odai/2145633696117041701

これまで演壇に登ったのは野党「共に民主党」、「正義の党」、「国民の党」の議員9人で、それぞれ5時間34分、1時間50分、10時間18分、9時間29分、5時間20分、5時間21分、7時間3分、4時間46分の長時間演説をしながらリレーで時間をかせぎ、この法案を時間切れの廃案に持ち込もうとしています。廃案までの時間はあと14日あり、それまで演説を続ける必要があります。そのために野党は全議員がこのフィリバスターを行う構えです。

テロ防止法案は、情報機関の国家情報院(国情院)に、テロに関連した疑いのある人物の通信傍受や出入国制限、金融取引制限などを行う権限を持たせる内容を含んでいます。野党側は、「テロとは全く関係のない反核活動家までをテロ危険人物と見ている状況で、国家情報院の恣意的な判断が一般市民に向かわないとどうして確信できるか」と声を高め、国情院がこうした権限を持てば、政府に批判的な人物の監視に悪用する恐れがあるとして反対しているものです。
さあ、どこかで聞いたような法案ではないでしょうか。

10時間18分の演説をした殷秀美(ウンスミ)議員は、1990年代初めに非合法運動団体であった社労盟(南韓社会主義労働者同盟)の活動で逮捕され拷問を受け、6年間の獄中生活をした後、殷秀美金大中政権のとき特別赦免により復権し、その後大学院を出て学者となり、国会議員になった人です。

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このように金大中政権が2,892人、盧武鉉政権は646人を赦免したということですが、逆に言えばそれまでにそれだけの数の人々が国家保安法違反という名前で捕まっていたということです。
彼らの復権後、盧武鉉政権は彼女ら中心人物を民主化運動有功者として再評価しました。
「テロ防止法案」と言いながら、その実は「国民監視法案」であるというのが野党の主張です。
朴槿恵政権のしようとしていることは、時計の針を民主化前へと戻そうとする動きにほかなりません。
野党の議員の必死の抵抗には打たれるものがあります。演説の中で、青年の問題にも言及しながら、生きる権利を保証するよう訴える姿には、国民に真剣に向き合っていることが感じられるようです。

しかし、韓国でこれだけ大問題になっているのにも関わらず、日本ではほとんど関心を持たれていないようです。
安保法案の際も初めの頃韓国ではそんな反応でしたが、Facebookなどでの日本の進歩派の人々の記事にもまったく上がってこないところを見ると、本当に話題になっていないようです。
現在の日本と非常に近い脈絡で、政権が国民の人権を大昔に押し戻そうとする流れが続いています。

法案をめぐる事情は以下の記事のとおりです。
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【ソウル聯合ニュース】韓国の国会で情報機関・国家情報院(国情院)の捜査権限拡大を柱とするテロ防止法案の成立を阻止するため、野党の国会議員らが長時間の演説で国会議事を引き延ばす「フィリバスター」(議事妨害)を続ける異例の事態が起きている。

 演説は23日午後7時過ぎから始まり、25日午後現在、7人目の正義党・金ジェ南(キム・ジェナム)議員が壇上に立っている。3人目に演説した最大野党・共に民主党の殷秀美(ウン・スミ)議員は24日午前2時半から同日午後0時48分まで10時間18分にわたり演説を行い、韓国国会史上最長の演説時間となった。

 これに対し、与党セヌリ党は「国会のまひ」と批判。北朝鮮のテロ脅威が高まっているとして、同法案の早期成立を求めている。

 同法案の争点は国情院に対し、テロ容疑者の捜査権や盗聴を認める内容を含んでいることだ。野党はテロの定義があいまいな上、国情院の職権乱用や人権侵害の懸念があるとして反対している。セヌリ党は国情院がテロ捜査権を行使する場合、首相を委員長とする国家テロ対策委員会に事前、または事後報告させることで、同委員会が国情院の捜査を監視、けん制できるとしている。

 与野党は23日、国会議員総選挙(4月13日投開票)の小選挙区の区割りをするための基準を決めた選挙法改正案を26日の本会議で可決させることで合意している。改正案を可決するためには野党側が演説を中止し、テロ防止法から成立させなければならず、野党側の出方が注目されている。
========(http://goo.gl/uo00WX)


演説の様子とこれまでの演説の要旨はここから見ることができます。
http://www.filibuster.today

今日25日の国会の様子を伝えるニュースはこちら。
韓国JTBCニュース
http://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB11180784&pDate=20160225


この件に関する日本語のニュース記事
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201602/CK2016022502000124.html

西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/226535

聯合ニュース
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2016/02/25/0900000000AJP20160225002800882.HTML

ハンギョレ新聞
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23415.html


ニート・ひきこもり・若年無業者・・・ 生きづらさを抱える若者の支援をアジアに広げる「日韓若者フォーラム〜青年無罪シーズン2」を横浜で開催したい!
CF.YOKOHAMA.LOCALGOOD.JP|作成: LOCAL GOOD YOKOHAMA
 
日韓若者フォーラムは、韓国に住む韓国と日本の若者同士で、共通の若者の課題について考え、社会に訴える青年団体です。
これまで韓国で9回のフォーラム及びフェスティバルを開催してきましたが、今年は満を持して日本で開催することになりました。
 
いま、韓国の若者たちは、日本にも増して大きな壁に直面しています。昨年、セウォル号沈没事件を通して、韓国社会に巣食う闇に気づいた国民たちは、目覚めて動き始めましたが、今回のMERS拡散の過程の中で、それがまだ何ら乗り越えられていないことに再度大きな衝撃を受けています。
 
そして、受験戦争と競争社会の中で疲弊した若者たちのなかで、社会にうまく適合できないNEETが160万人を超えたという調査も出ています。
 
日韓若者フォーラムでは、昨年に「青年無罪」フェスティバルを開催し、このような現状を見つめながら、日韓の若者たちの抱える共通の問題として、「健康」「仕事」「人間関係」「住宅」「教育」「環境」の6つのテーマを掲げ、日韓の若者の共通の問題として、広く議論してゆくことの必要性を「日韓青年ソウル宣言」として訴えました。
 
今回の「なりゆき祭り」では、日韓若者フォーラムの初の日本開催として、日本の青年たちと、国の違いを越えて私達が本当に戦わなければならないものが何なのかを考え、それに力を合わせて立ち向かっていくための方法を共に考えます。
 
インターネットを通してしか知らなかった韓国の青年たちが、どんなことに悩みどこへ進もうとしているのか、そして日本では何が必要で、それに対して日本の若者たちはどう考え、どう動いているのか、お互いに学び合い、刺激を与え合う大きなチャンスであるといえるでしょう。
 
今回の集まりは、今後の両国の若者たちに広がる大きな潮流の端緒であり、新しい動きのきっかけになると考えています。
 
日韓の若者支援の間を取り持つものとして、一人でも多くの方のご参加とご支援、そして今後の活動へのご関心と応援を広くお願いする次第です。


 
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日本と韓国、それぞれの国で生きづらさを抱える若者への支援をするため、8月に横浜で「日韓若者フォーラム」を開催します。
2012年より通算9回に渡り韓国で開催してきた「日韓若者フォーラム」は日韓の若者同士が政治的な問題や文化の違いに目を向けるのではなく、協力してこれからの社会を生き抜くための方策を語り合い、実践する場です。日本で初めての開催をすることとなり、現在企画を進めています。
 
今回は、日韓若者フォーラムを開催するための費用を皆さんから募り、より多くの方々に日韓若者フォーラムを知っていただき、体感していただきたいと思っています。
 
海を越えて韓国の若者支援に目を向けることで、若者支援に携わる日本の支援者の皆さんにとっては自分たちでやってきたことが海外で役立つということを実感できる、新たな気づきを得る機会になると思います。また、日本の中で迷っている若者たち、親御さんにとっても、視点を変える機会になるかもしれません。
 
友だちをつくったり、フォーラムのなかで対話をしたり、一緒に時間を過ごすことで、フォーラムが終ったあとのつながり、視野の広がりをひとりひとりの方に実感いただきたいため、支援していただいた方へのお礼は「なりゆき祭・日韓若者フォーラム」参加入場券をご用意しています。(5000円以上のお礼、3000円のお礼は横浜市根岸駅すぐにある若者自立就労支援を行う食堂「にこまる食堂」での食事が1年間250円になる「にこまるサポーターズカード」です。)さまざまなお礼を用意しています。詳しくは、お礼の欄をご覧ください。


 

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