1年前の今日、100万人の民衆がソウル光化門に集まり、国民を愚弄する朴槿惠政権の退陣を叫びました。

ケーブルテレビ放送局JTBCが政府の裏をかいて次々に朴槿惠政府の裏の実態を暴き、これに怒りの声を上げた国民の連帯によって毎週週末ごとにデモが開催されました。大統領の退陣を求める声は全国にうねりとなって広がり、野党の弾劾案発議遅延を受けて123日には全国で232万人が一度に参加するまでになりました。

それから間も無く朴槿恵大統領は弾劾、のちに逮捕され、新大統領選挙で文ジェイン氏が新しい大統領として選出されました。

公共放送であるKBSMBSへの政権からの度を越した介入に抗議するストライキが続き、積弊清算タスクフォースが結成され、李明博政権時からの国家情報院の不正、官民の癒着、放送局への圧力に捜査の手が入っています。


その間、日本では何があったでしょうか。

首相自身への疑惑に対して、マスコミがどれだけ徹底追求したでしょうか。

抹殺される地方の民衆の声に、どれだけの人が連なって声を上げたでしょうか。

メディアへの圧力に抗議してどれだけのジャーナリストが連帯して立ち上がったでしょうか。

権力に擦り寄る似非ジャーナリストの性犯罪をもみ消した国家権力を大手メディアは糾弾したでしょうか。

嘘だらけ、憲法違反、国会愚弄、国民無視の行政運営に対して野党がどれだけ抗戦したでしょうか。

国民はどれだけ怒りの声を上げたでしょうか。



この映像は、飼い慣らされることの恐ろしさを知る国民が、権力を一部の人間たちの欲しいままにさせないという強い意志のもとに、自分たちの声を届け、自分たちの明日を変えるために叫ぶ様子を撮ったものです。

そして実際に、彼らは権力を跳ね返すことに成功しました。


韓国は、国民の中に様々な声がありながらも、その中から民衆が自ら淀んだもの、曲がったものを改善していく理想と自浄作用を持っています。

翻って日本を見ると、若者たちは「理想」を失い、誰かが作った「現実」という名の鎖に縛られることを何とも思わない「網の中の蛙」たちを中心に「今だけ・金だけ・自分だけ」の3だけ主義に流れていくのをどうすることもできずにいます。「特定秘密保護法」「共謀罪」「安保法制」が国会を通過して、国家の名の下に国民が管理されることを良しとし、政府に批判的なジャーナリストが更迭されても指をくわえて見ているだけです。

自浄能力を失ったこんな日本をよそ目に、特に若い層を中心として、韓国の高い市民意識はとうに日本を超えてしまっていることを日々感じています。


飼い慣らされることを良しとしない人々の熱い叫びに、皆さんにも何かを感じてもらえれば幸いです。